ホールインワン
Oct. 10 '97

  この日は朝からどんよりとした曇り空でした。家を出るときは、もう歳(55歳)だから理事長杯のような競技会に参加するのはこれが最後かな・・なんて弱気な気持で車に乗り込みました。クラブハウスで悠長に新聞を読み、スタート時間が近づいたのでグリーン上で4,5分ボールを転がしスタートしていきました。
    ところが、いきなりバーディそして次がパー。ヨーシと思った次の3番ホールは不運にも木の下が2回と思わぬトラブル(ダブルボギー)につかまり胸中穏やかでないまま4番パー3のティーインググランドに立ちました。距離は182ヤード、打ち下ろしでフォロー気味の風もあり7番アイアンを手にしてアドレス。ところが一瞬アゲインストの風が頬をよぎり、これは6番だ!と咄嗟に握り替えてスイング。うまく打ち出されたボールはピン方向手前7,8メートルに落下しパターでヒットしたような転がりでカップインしたのです。入った瞬間、頭がボーッとなりヤッターというより夢がフェードアウトして行くような白さを感じました。初めてのホールインワンです。
    次のホールは夢心地のプレーで、グリーン上も心定まらず50センチのお先のパットを外してボギー、このボギーで夢の世界から現実にもどったのです。ホールインワンしてこのスコアーはなんだ!と言われるのが怖かったのです。その後は必死でパーを拾い続け、9番ホールで幸運のバーディがきてこのハーフ、35ストロークで上がることができました。そして、後半も最近にない集中力でゴルフができ最終ホールもし、パーで上がれば夢の60台(69ストローク)、必至のバンカーショットを2mに寄せるもパーパットがわずかにそれて無念のボギー、 いつかはと思っていた夢は一瞬にして消えてしまいましたが望外の70ストローク、2アンダーと自己ベストも更新することができました。なお、南7番パー3のホールでもボールがピンに重なり、あわやホールインワンかと一瞬全身の血が凍るような思いもし、まさに夢の中の一日でした。
 同伴競技者の木島義巳さん、山田実さんには大変お騒がせしましたが快くラウンドして頂きましたことを深く感謝いたします。そして、キャディの中岡さんにもずい分助けられました。御礼申し上げます。最後に、万木城カントリークラブ会員皆様方の今後益々のご健勝と貴クラブの更なるご発展をお祈りしてペンをおかせていただきます。

                              栗原 敬