Aug. 9 '94 |
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1.グリップ |
・グリップはストロンググリップ(左手薬指のくる節が十分見える程度)とし、左手V字が右肩を差す。(左手ナックルが3つまたは4つ見える程度) その左手はフィンガーグリップでやや左方向に捩じる 感じでシッカリと握る。このグリップがパワーをロスしないでクラブに伝えられる方法だ。 ・右手はオーバーラッピンググリップで、中、薬指の2本の付け根関節をシャフトに絡ませて左手親 指を横から包み込む感じでグリップする。この時、右手の親指と人差指のV字もしっかりつくり、V 字は右肩を差す。 ・右手主導のスイングができる体勢を作る。20~30ヤード以内のショットやバンカ-ショットでも同様のグリップとする。打ち方としてインパクト以降、クラブヘッドは両グリップより先行しないこと。(この方が、ストレートにヘッドがでる。) ・このときの構えはオ-プンスタンスでクラブのグリップエンドは左足付け根を指す。そして手首を使 わない(手をローリングさせない)スイングを心がける。 ・アプローチショットでの左手手首の動きは、水平空手チョップを静かに行う感じで手打ちにならないように注意する。 |
2.アドレス |
・スタンスは左足首は30度オ-プン、右足はほぼ直角にし両足の間隔は肩幅程度で、やや狭めにする。全体的にややオ-プンスタンスとなる。 (回転しやすくするため、両足の間隔はクラブが小さくなるに従って狭くしていく。(特に、調子の悪い時は
スタンスを狭くすることを心がける。) ・上半身は前傾姿勢で両膝をやや曲げ、腰もどっしりと落として下半身をシッカリと構える。特に、背筋はピンと伸ばし、重心は左右均等が基本で足裏土踏まずの所に重みを感じる。(右足は親指付け根に少し力を入れる。) ・胸は両腕の間でやや前方に突き出すように張ること。アゴは突き出すこともなくまた、極端に引き付ける必要もない。身体の中心に治まるようにしてリラックスさせる。 ・大切なことは、リストターンを抑える態勢を作ること。 ・両手は窮屈にならないように軽く曲げ、左手肘の方向は左腰を差すのではなく左目標方向を差すようにセットする。この肘が体の方に向くと手が返りやすくなりいけない。 ・特に、主軸を左足内側の一本と考え、これを中心に上体(右肩、右手中心)の捻転がスムースに行えるような体勢をとること。 |
3.クラブのセット |
・グリップの位置は体の中心よりやや左寄りが基本。 ・身体とグリップエンドの間隔(距離) はどのクラブも一定が基本で、ふところは出来るだけ広く余裕を持たせる。 ・特に、両手肘は軽く曲げ、クラブの始動時に柔らかく使えるようにする。(肩を含めて5角形を意識する。)クラブをセットしたら両手で1、2度クラブを左右にワッグルして打つ方向を意識する。特に、右肘、右肩さらに右手グリップの力を抜くことが大切で、これによりテ-クバックがしやすくなる。 ・体の重心はドライバーで右足6部、アイアンで左右均等にかける。アイアンやフェアウェイウッドでは右肩を下げすぎないこと。(クラブヘッドの回転をやや楕円にするため。) |
4.ボ-ルの位置 |
・ ボ-ル位置は体の中心から左足寄りが基本。ドライバーは左足くるぶし付近で、グリップ位置はボールより飛球線後方になる。アイアンのボール位置はグリップ位置よりやや右後方(ややハンドファースト)とする。 ・ 球筋やライの関係(状況)でやや前後することはある。特に、アプロ-チショット(グリ-ン廻り)ではボ-ル位置はかなり変わる。 |
5.テ-クバック |
・テ-クバックは上体のひねりでありさらに、重心を右足に移動させる動きだ。 ・両手、両肩で作る三角形はあまり意識しない。主軸の左足内側中心に右肩、右手で上体の捻転を行ない特に、右手首、右肘は柔らかく使われ肩も十分に廻わす。 捻転の順序は両手・両肩・腰膝の順となる。 ・クラブをオンプレーンでスイングできるように、クラブヘッドはライン後方真直ぐに上げるイメージで始動する。(クラブはインサイドに引きすぎないように)さらに、始動では両手グリップのコックも意識しないこと.よって、プレ-ンの軌道はやや縦振りになってくる。 ・捻転によるウェ-トは右足親指付け根に感じる。 ・特に、テ-クバックでは右サイドの力を抜き、右へのスウェイに気をつけること。 ・また、頭もテ-クバックと同時に右後方にやや回転するが、目(視線) はボ-ルから離さないこと。(ヘッドアップよりもルックアップに気をつける。) ・テ-クバックやトップオブスイングは作るスイングであるので十分、頭で考えて行う。 |
6.トップオブスイング |
・肩は90度、腰は40度捻転させる感じで十分なボディ-タ-ンを目指すこと。ただし、腰の角度はあまり気にすることはなく、むしろ両肩の十分なひねりが必要。また、テ-クバックからトップでの身体(右腰)の位置は左右、上下、前後にスウェ-しないこと。 特に、右足膝を外側に流さないことが大切。 ・トップ位置では左手親指の腹にシャフトが乗り、シャフトとライは水平が理想。 このとき、左手甲は前に折れる感じで良い。また、クラブヘッドは目標方向を指す。 ・このとき、左足のヒールアップは不要。 ・左手の肘は曲げないようにピ-ンと伸ばすのが理想であるが、 硬直してまでむりに伸ばす必要はなくむしろ十分な余裕がほしい。 |
7.ダウンスイング |
・ ダウンスイングはトップの切り返しということで、微妙なタイミングが要求される。これは、右足から左足への重心移動のことであるが、あまり意識する必要はない。 トップの切り返しの部分で手を下ろす前にほんの少し腰を左にスライド(バンプという) してやりその直後に、左腰がターンをはじめる。とはいってもボールは手、腕で打つことには変わらない、腰で打つのではない。そして、ダウンからインパクトにかけて右膝(右足踵)が押し込まれる。 また、トップの切り返しはメリハリを持ち、ゆったりとしかも鋭く左足へ小さく重心移動をすることだ。また、クラブは左手主導で引き降ろされるが、この左足への重心移動(反動)によってクラブは自然に引き降ろされるイメージ。 ・ただし、重心の移動は軸の中で行われるイメージが大切で、体を左右にゆすることではない。両手グリップとクラブの角度はできるだけ変えずに右腰までダウンさせてタメを作る。 ・トップからの切り返しは下半身のウエートシフトにともなう捩じり戻しで振り下ろされる感じで、手で下ろそうとしないことが大切。 |
8.ヒッティングゾ-ン |
・ このスイングでは、特に左足(脚 )内側をスイングの柱にして、 左腰、右肩をこの柱に巻きつけるようにターンさせる。なお、両膝は目標方向にややスライドするが、膝は使わないイメージが大切で、右足くる節は目標方向に少し押し込まれる。 なお、ヒッティングゾーンでは右足かかとが上がらない 「ベタ足」 とすることが大切。 ・ヒッティングゾ-ンでの右腕はボールを突き刺すような感じでしかも、目標方向にスナップを使って振り抜く。特に、ストロンググリップのためリストターンは絶対ダメ。(ここが大切なところ) ・さらに、ダウンスイングからインパクトゾ-ンにかけてはボールを見ることがナイスインパクトを向かえる重要なポイントであるが、これもあまり意識する必要はない。スイング中、左足膝への圧力を受け止めながら、ここから一気に両肩を回転させる。(右肩は目標方向に押し込まれる) ・特に、アプローチショットではクラブのヒールを目標方向に押し出す感じで良い。 ・ただし、インパクトは意識して向かえるものではなく、アドレスした位置に静かに戻してやる程度のイメージ。 ・ヒッティングゾ-ンでは右サイドでスイングするイメージでよく、膝は使わないイメージ。 ・ヒッティングゾ-ンでの注意はボ-ルを見てヒットし、ヒット後はボ-ルをすばやく追いかけるように頭もあげていく。頭の残しすぎは体の動きを阻害するのでいけない。 ・なお、インパクトは真っ直ぐな線と考え、目標方向に低く長く出すイメージが大切。ダウンブロー(クラブヘッドを地面に打ち込む)のイメ-ジではなく、ボ-ルをハンマーで目標方向に打ち込むイメージだ。ボ-ルはクリ-ンに打つことを心がけ、決してすくい上げようとしないこと。 ・ そして、重要なことは右足かかとの上がりをおさえてインパクトを向かえること。 いわゆる「ベタ足打法」がよい。 一方、ヒッティングゾ ーンでは力み過ぎて、右肩が落ちることがあるので特に注意が必要。 |
9.フォワ-ドスイング |
・左腕肘は絞られ、右手の伸びたスイングイメ-ジを持ち(クラブシャフトの通る道を作る)左肩で右手グリップをハネ上げるようにスイングする。 (フリスビースルーの形でスイングする)この時、左足太股内側がテ-クバックからトップにかけて発生する右足太股内側の捻転圧と同じ圧力を受け止める感じになること。同様に、左足膝を左方向に逃しては強いインパクトができない。 ・あくまで、ボディタ-ン(肩を強烈に回転する)で振り抜き、リストの返しは意識しないこと。 ・フォワ-ドスイングはダウン、インパクトゾ-ンからの一連の動きであり作るのではなく作られるスイングである。 ・ダウンからフォワ-ドスイングまでは一気に楕円を描くように振り切ることが肝腎。 ・特に、フォワ-ドスイングからフィニッシュにかけてはボディタ-ンで振り抜いていき、 身体を止めないこと。 ここでは左サイドの壁も、頭を残してインパクト後のクラブシャフトと両手グリップの引っ張り合いのイメ-ジも必要ない。(リストターンをおさえているから) |
10.フィニシュ |
・肩の回転は右肩がアゴに触れる程度まで十分行ない、目はボ-ルの行方を追う。 そして、クラブシャフトは身体の背骨に当たるくらいに十分振り切る。 ・テ-クバックからフィニッシュまで上体のタ-ンを基本としたスイングを心がけ、フィニッシュでのグリップ位置は比較的低い位置に治める。フィニッシュでの左手はリストターンを抑えているため、まねき猫の手の形になる。 ・身体のへそは目標方向を指し、その方向へすぐ歩けるような体勢となること。(左足かかとに完全に重心が移行していること)よって、頭を残し過ぎ(ボ-ルを見すぎ)てはいけない. |
11.スイングで大切なポイント |
・スイングは連続した動きでありよって、リズム、テンポが大切な要素となる。 ・スイング中、グリップエンドは身体の最短距離を通過すること。 ・スイングは1軸の動きが基本であり、ストロンググリプの採用と「ベタ足打法」の組み合わせで、安定したショットが打てるようになる。 ・ストロンググリップのスイングはテークバックで前腕部(手)のローリングが抑えられ、インパクトからフォワードスイングでもリストターンという微妙な前腕部(手)の動きを小さく出来る。これに対しスクエアーグリップではこの手(前腕部)の動き(ローリング)をタイミングよく行ってスイングする必要があり、この手の動きがスイング精度の差となって現れる。 |
[後記] |
読んで頂いて感謝の気持ちでいっぱいです。10年以上前、ストロンググリップに変えて大変苦労しました。約1年かかってようやくまともなスイングが出来るようになり、今ではこのグリップに変えて本当によかったと実感してます。これは、その頃のメモをまとめたものでお恥ずかしい次第です。 |
[20年後記]・・・’13.6.28 |
ゴルフから完全に離れて12年が経ちました。 それでも、放映されるゴルフトーナメントは毎年楽しみにテレビで観戦しています。 そんな中、米国女子や日本の女子ツアーで、韓国人選手の活躍が目につきます。 私が注目しているアン・ソンジュ選手や朴 仁妃選手は私がこのページで表現しようとしているスイングイメージとほとんど一緒なので驚いています。 体型にもよりますが、このストロンググリップとベタ足打法を取り入れた選手が日本に現れない限り、ゴルフ界は韓国勢にいつまでも席巻され続けるでしょう。そんな気がしてなりません。最近ネットで読んだ「日本人のゴルフスイングは左膝の曲がった下半身先行の野球ゴルフスイングだ」という人もいて、私もまさにその通りだと感心しています。男女を問わず日本のプロゴルファーの大半は膝を使いすぎるスイングで、世界のゴルフからますます置いて行かれています。「ストロンググリップ+ベタ足打法」の下半身(膝)を使わないスイング理論で日本のゴルフが世界に伍して戦える日の来ることを夢見ているところです。 |
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